学長挨拶

活力と活気ある教育研究の展開

本学は、「人間性に支えられた高度な工業技術者を広く学術の研鑽を通じて育成する」という建学の精神の下、「人を育て技術を拓く」を基本理念に、教育を展開しております。科学技術の目覚しい進歩、押寄せる国際化の荒波の中で、社会環境やそのシステムが大きく変わりつつある今日、職業につく者に求められる人材像もまたそれに呼応したものでなければなりません。本学では、本学伝統のきめ細かい教育や実学を中心に据えた教育を通して、今日の社会が求める「社会人基礎力」「学士力」を備えた有用な工業技術者の育成を目標とした教育を実施しており、多くの人材を送り出してきました。

このような教育をさらに力強く推進するために、これまでにも増して「活力・活気のある教育、研究の展開を図ること」を学長方針として掲げています。本学は2004年以降、大学院(工学研究科修士課程)、新学部(デザイン学部)、新キャンパス(小倉)の設置、工学部の改組を次々と行い、また小倉キャンパスにおいて「大学院・地域連携センター」「学生会館」を開設いたしました。さらに現在、全学的な教育研究機能と施設設備の充実、地域社会への貢献の基盤づくりを目指し、本キャンパスである「おばせキャンパス」のリニューアルも完了しました。こうした本学の発展機運をより確かなものとすべく、地域連携センターを核とした「企業や自治体との連携事業」「協同研究」「委託研究」、大学コンソーシアムによる「大学間連携教育」、海外の大学等との協定による「学術交流」「外国人留学生の受入れ」「交換留学生」、さらに日中韓3大学による「東アジア環境人材育成コンソーシアム」などの推進による教育・研究の活性化と情報発信の強化を図っております。

これに応えて、学生もまた目覚しい活動を展開しています。硬式野球部、バレーボール部、弓道部、ソフトテニスなどは全国レベルで活躍し、その他の体育系クラブも上位リーグへの昇格を目前にしています。文系サークルもまた地域活性化活動やボランティア活動に積極的に取組んでいます。工科系大学において勉学との両立を図りながらのこうした活躍は、頼もしくあり、学園を活気付ける要因にもなっています。

また本学は、教員の学問研究活動の強化と支援に努めております。その成果は本学の知的財産として蓄積され、社会貢献に資するだけではなく、教育にも反映させることを目論んでおります。即ち、多くの学生を教員の研究活動や産学連携活動に参加させることにより実践的、双方向的教育が可能となると同時に、これに興味をもつ学生がさらなる学習への意欲を沸き立たせるなどの相乗効果が生まれており、その取組の一環が経済産業省の「社会人基礎力を育成する授業30選」に選定されました。

「活力と活気」をキーワードに、本学はこれからも、教職員、学生が一体となった教育・研究の展開を図り、地域から、そして社会から選ばれる大学の実現を目指し、持続的発展を遂げる努力を重ねてまいります。

第10代学長 西尾 一政